電子楽器メーカーのローランドから先月、多彩な音色を内蔵し、リコーダー感覚で気軽に演奏を楽しめるデジタル管楽器「Aerophone(エアロフォン)」の新色「グラファイト・ブラック」モデルが発売された。
2016年10月に発売した「Aerophone AE-10」は、ジャズ、クラシック、ポップスまで幅広く演奏されるサックスをベースに、同社の最新技術を駆使して生み出された新しいデジタル管楽器だ。
最も大きな特徴は、時間と場所を気にせず練習できる点だろう。ヘッドホンを使うと外に一切音が漏れないので、いつでもどこでも演奏が可能。たとえ集合住宅であっても時間帯を気にせず、毎日自宅で管楽器の練習を続けることができる。
また本機は、管楽器の初心者でもリコーダーのような息遣いと指使いで簡単に演奏できるのも特徴だ。
一般的な管楽器の演奏には息の量や継続を要するが、本機はリコーダーのように息を吹き込むだけで音が鳴らせるので、初心者の人や演奏にブランクがある人、高齢で肺活量に自信がない人でも簡単にきれいな音を出すことができる。
さらに「Aerophone」をリコーダーの運指(指の使い方)に切り替えることができるので、簡単な運指で気軽に演奏を始めることも可能だ。また、これからサックスを習うという人は、ボタンの位置や配列など、アコースティック・サックスの運指に準拠している「Aerophone」で、まずサックスの運指を習得するという使い方もできる。自宅では「Aerophone」を使って運指を練習し、レッスンではアコースティック・サックスを演奏するなど、本機と併用することでサックスの上達にもつなげることができる。
一方、サックス経験者の人にとっては、多彩な楽器の音色で演奏を楽しめるのが大きなメリットだろう。
「Aerophone」はソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類すべてのサックス音色はもちろん、フルート、トランペット、バイオリンなどの管弦楽器から、尺八や二胡などの民族楽器、パワフルなシンセ・リードまで、多彩な55音色を内蔵している。
アンブシュア(吹くときの口の形や状態)をはじめ口や喉を使った奏法の練習効果を期待することは難しいが、経験者にとっては運指の練習だけでなく、サックス以外の多彩な音色を使ってイマジネーション豊かに演奏したり、吹く楽しみをさらに広げる楽器として魅力を感じられるのではないだろうか。
iOSとAndroidに対応した無料の専用アプリ「Aerophone Editor」も用意されている。「Aerophone」本体ではできない複雑な音づくりや、ブレス・コントロールなどを自分好みに細かく設定でき、より表現力豊かな演奏を楽しむことができる。こちらも経験者には嬉しい機能だろう。
また、本機をケーブル1本でスマートフォンとつなぎ、スマートフォンで再生したお気に入りの曲をバックに、自分がソロ部分を演奏するといった楽しみ方も可能だ。電子楽器である特徴を生かし、「Aerophone」と同社の手のひらサイズの録音機器「GO:MIXER」などを使うと、簡単に高音質で自分の演奏動画をスマートフォンに収録でき、そのままYouTubeなどへ動画をアップロードすることもできる。
このたび発売されたのは、新しいカラーバリエーション「グラファイト・ブラック」モデルの「Aerophone AE-10G」という製品だ。メタリック感のある黒のボディで、従来のホワイトカラーとは異なるクールな印象を感じさせる仕上りとなっており、好みの演奏スタイルにあわせてカラーを選択できるようになった。
品名品番:デジタル管楽器「Aerophone AE-10G」(グラファイト・ブラック)
発売日 : 2017年10月
外形寸法:幅128×奥行93×高さ574mm
質量 : 855g(電池含む)