ECサイト大手のAmazonから10月6日(金)、「Amazon知育・学習玩具大賞2017」が発表された。
この賞は、Amazonで販売している国内外の数万点にのぼる知育・学習玩具の中から、Amazonカスタマーレビューと、脳研究、情操教育、プログラミングの分野で深い見識を持つ専門家の意見をもとに、子どもの知的発達や好奇心を刺激する玩具を選定する企画だ。
今年8月にAmazonが実施した意識調査によると、2020年度に小学校で必修化が予定されている「プログラミング」など、科学技術や理系に関連した能力を育むことが期待できる知育玩具に対する関心が高い一方で、60%以上の親が「理系教育やプログラミング教育について特に何もしていない」という現状であるいう。
こうしたニーズが高まりつつあることから今回は、社会的に関心が高まりつつある「STEM」(Science/科学, Technology/技術, Engineering/エンジニアリング, Mathematics/数学)をテーマに、「プログラミング」「ロボット」「算数・数学」の部門賞を新設。
大賞には、創作力や計画性を育むサイコロ型の玩具が選出されたほか、審査員特別賞には、立体やプログラミングの基礎が学べる玩具などが選出。本稿では受賞製品をひとつずつ紹介していく。
※玩具の対象年齢は「2~12歳」
1.知育・学習玩具大賞/ローリーズストーリーキューブス 冒険 (The Creativity Hub)
サイコロに書かれたイラストを繋げて、1つの冒険物語を作るというシンプルでありながらも、遊び方に奥行きがある玩具だ。柔軟な想像力や順応性が求められるほか、他のゲームやパズルと異なり、正解がないため参加者やルールによっては遊び方に無限の広がりがある。「どういうストーリーを作るか」といった、プログラミングに必要な基礎力の育成を助ける玩具と言える。
2.部門賞:プログラミング/プリモトイズ キュベット (プリモトイズ)
まだ文字が読めない時期の子供でも、楽しんでプログラミングの基礎を理解できるのが魅力的な玩具。親が子供にプログラミングを教える、もしくは親自身がプログラミングの基本的な概念を理解するうえでも役に立つ玩具だ。
3.部門賞:ロボット/BOCCO(ボッコ) (ユカイ工学)
ロボットを介して遠隔で親子がコミュニケーションできるという点が、未来を感じさせ、評価された玩具。振動センサーや鍵センサーなど、さまざまなセンサーを付けられるため、スマートホーム用の端末として機能する点も他のロボットには見られなかった特徴だ。
4.部門賞:算数・数学/高学年の小学生ピタゴラス (ピープル)
小学校の算数において、平面的な教科書の説明だけでは理解しづらい図形が、実感をもって楽しく理解できるようになる玩具。特に展開図からどんな立体が出来るのかはなかなか体感しづらいが、この玩具を使えば理解が進み、さらには「ここを変えたらどうなるのだろう」という探求心が生まれやすい要素も併せ持つ。
5.審査員特別賞/Gravity Maze(グラビティ・メイズ) (CAST Japan)
この玩具で遊ぶことにより、動きの意外性や驚きが刺激となり、脳の発達の過程で重要な「立体を捉えること」について楽しみながら学ぶことができる。また学びにとって重要な「予測」「計画」「実行」「反省」のなかでも、「予測」しながらタワーを組み立て、ボールが落ちる結果を見て「反省」する能力が鍛えられる。難易度にも幅があるため長く楽しめるのも特徴だ。
6.審査員特別賞/KOOV(クーブ) (ソニー)
ブロックにモーターやセンサーを組み合わせ、プログラミングをすることで、自分のアイデアを次々とカタチにできる玩具。自分で作ったものが思い通りに動くワクワク感、作ったものを見せたくなるドキドキ感に子どもも大人も夢中にさせられる。自由度が抜群に高いことも魅力のひとつ。
7.審査員特別賞/ブロクセル (マテル)
コンピューターでゲームを作る時のようにドットをコンピューターで打ち込むのではなく、自分自身の手を使って打ち込んでいくので、その過程を通じて画像がコンピューターの中でどう認識されているのかを実感をもって理解することができる。「コンピューターってどうなっているの?」ということを体感的に学べる玩具だ。
8.Amazon特別賞/チューブロック (チューブロック)
配管素材メーカーが開発した配管の形をしたユニークなブロック玩具。このタイプの玩具は画一的な組み立て方をするものが多い中で、3次元の構造物を上手く表現できるものとして、今までにない組み立て方を起用しており、子どもの創造力を養うことにつながる点が評価された。
9.Amazon特別賞/COZMO(コズモ) (タカラトミー)
喜怒哀楽の感情を表現し、まるでパーソナリティーを持っているかのように動くロボット。与えられた命令を実行するタイプのロボットとは異なり、その場の環境を見て自分で状況を判断するAI(人口知能)を搭載している。「ロボットと暮らす未来」を楽しく体験できる玩具だ。
1〜7までの製品は2次にわたる審査を経たうえで選出、8〜9は新商品のため一次審査の基準を満たさずノミネートされなかったが、既に海外で販売されており評価が高い玩具、もしくは評価が高いけれど認知度が低い玩具をAmazonおもちゃ&ホビー事業部が選定している。
近年、米国で注目を集めるSTEM教育に対し、日本でもそのニーズが高まっていることから、Amazon.co.jpでも2016年10月に国内向けの「STEMストア」が開設されており、理系の能力の基礎を育むことができる玩具がピックアップされている。
興味のある人は見てみると良いだろう。